装置配管の概念をかえる多量トラップ、誕生。

TSFシリーズフロートトラップ

フロートトラップは、ドレンと蒸気の比重差 = ドレンの有無で作動するスチームトラップ(メカニカルタイプ)であり、バケットトラップ同様、最も信頼性の高い作動原理のスチームトラップです。

特に、蒸気・ドレンの温度・圧力の負荷変動に対する応答が早い、スチームトラップ一次側のドレンの滞留がないというメリットがあるため、メカニカルタイプのスチームトラップは、温度・圧力などの制御による蒸気の負荷変動があり、高熱効率が要求される各種生産装置、空調機、乾燥機、熱交換器などの「装置」に最も適したスチームトラップです。

しかし、メカニカルタイプのスチームトラップは装置に最も適したスチームトラップでありながら、取付方向に制限がある、設置スペースの確保が必要、など配管施工をする上での「制限」がありました。

TSFシリーズフロートトラップは、この「制限」をなくし、「装置配管の概念をかえる」ことを開発コンセプトとし、フロートトラップをあらゆる角度から見直しました。

そして、独自の技術により、流体の流れ方向360°対応を可能にし、従来制限が多かった装置のスチームトラップ配管の選択肢を大幅に広げることを実現しました。
さらに、空気排出性能、省エネ性能、耐久性能、メンテナンス性などの基本性能も従来品からの大幅な向上を実現しました。

これまでの装置配管の概念をかえる多量トラップがここに誕生しました。

TRAP STARについて 流れ方向360°対応 迅速な装置立ち上り 低床な装置ドレン配管でも取付け可能 レバーフロート構造 = 省エネ・高耐久構造 ドレン滞留なし メンテナンス容易 背圧許容度が大きい バルブ・バルブシートの耐摩耗性向上 ストレーナ内蔵 2.1MPaの高圧対応

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流れ方向360°対応

フロートトラップは装置に最も適したスチームトラップでありながら、取付方向に制限がある、設置スペースの確保が必要、など配管施工をする上での「制限」がありました。その「制限」があるがゆえに、装置ドレン配管が複雑になったり、装置が大型化してしまったりすることもありました。

TSFシリーズフロートトラップは、この「制限」をなくし、「装置配管の概念をかえる」ことを開発コンセプトとしてフロートトラップをあらゆる角度から見直しました。

そして、「フロート、エアベントなどの主要部品とコックが一体の構造※」を新たに開発しました。コックを回転させるにより、流れ方向360°対応することができます。ふたを外すなどの組換え作業も不要です。

この独自の構造により、蒸気使用装置のスチームトラップ配管の選択肢を大幅に広げることを実現しました。

TSFシリーズフロートトラップ

※特許出願中

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低床な装置ドレン配管でも取付け可能

バケット式スチームトラップ

一般的に、装置のドレン排出口は、ドレンを自然流下させるため装置下部に設置されています。そのため、装置ドレン配管は、装置設置面に極めて近い低床な配管となります。

一般的なフロート式、バケット式などのメカニカルタイプスチームトラップは、配管芯下寸法が大きいため、低床な装置ドレン配管に取付けができない場合がありました。

TSFシリーズフロートトラップは、配管芯下方向の寸法が従来品と比較し小さくなっています。これまでフロートトラップを設置ができなかった装置にも設置をすることが可能になりました。

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迅速な装置立ち上り

ボイラー運転前の蒸気配管・装置には必ず空気が存在します。生産性の向上のためには、この空気を速やかに排除し、
装置の立ち上り時間を短縮することが非常に有効です。

TSFシリーズフロートトラップは、高圧用ベローズ式エアベントを内蔵しています。

蒸気配管・装置内の空気の迅速な排出により、装置立ち上り時間を大幅に短縮することを実現しました。

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レバーフロート構造 = 省エネ・高耐久構造

レバーフロート構造

「レバーフロート構造」は、フロートとバルブをレバーによって接続した構造です。ふたにバルブシート・フロート吊り金具が接続されており、レバーとフロート吊り金具がスピンドルにより接続されています。ドレン水位によるフロートの上下運動によって、スピンドルを軸としてバルブが開閉します。バルブは常にバルブシートとしか接触しないため、省エネ・高耐久構造と言えます。

さらにTSFシリーズフロートトラップは、レバーとバルブの接続部に自由度を持たせる構造を採用。バルブが固定軸を中心に回転し、最もシール性が高い状態でバルブシートに着座します。

バルブが常にバルブシートとしか接触しないというレバーフロート構造に自由度を付加した独自のレバーフロート構造により、究極の省エネルギー性能・耐久性能を実現しました。

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ドレン滞留なし

スチームトラップは、ドレンを排出する機器であり、ドレンを排出する最も大きな目的は、熱効率の低下防止やウォーターハンマーや腐食による配管・機器の破損を防止することです。
そのため、スチームトラップには「ドレンを滞留させない」ということが要求されます。

サーモスタティックタイプやサーモダイナミックタイプのスチームトラップは飽和蒸気温度マイナス数℃で開弁するという作動原理上、スチームトラップ一次側のわずかなドレン滞留が避けられませんが、フロートトラップは、蒸気とドレンの比重差による確実な作動(メカニカルタイプ)のため、スチームトラップ一次側のドレン滞留はありません。

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背圧許容度が大きい

スチームトラップから排出されたドレンは、省エネルギーやコスト削減のため、ドレン集合管やドレンヘッダーに集め、
回収・再利用することが望ましいです。
このようなドレン回収管には一般的に複数のスチームトラップが接続されており、
個々のスチームトラップの二次側には他のスチームトラップから排出されるドレンの圧力や、回収管の立ち上りによる圧力がかかります(背圧)。
漏れや吹放しが発生しているスチームトラップがある場合は、特に背圧がかかります。

フロートトラップは背圧に対する影響を受けにくい作動原理のため、ドレン回収に最適です。

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メンテナンス容易

TSFシリーズフロートトラップは、主要部品が全てカバーに取付けられているため、本体を配管から外す事なく保守点検が容易です。
さらに、取り付け方向の切換可能なため、メンテナンススペースを確保しやすくなりました。

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バルブ・バルブシートの耐摩耗性向上

蒸気配管で発生するごみ・スケールは管底を這って流れる液相であるドレンにほとんど介在します。
つまりスチームトラップは、ドレンとともに必ずごみ・スケールが流入する過酷な環境で使用されます。

ごみ・スケールがバルブやバルブシートを通過すると傷が入りシール性の低下に繋がるため、
スチームトラップのバルブ及びバルブシートには高い耐久性が要求されます。
特にフロートトラップの場合は、バルブが本体下部についており、
ごみなどがバルブ及びバルブシートを通過しやすい構造になっているため、一層その耐久性が要求されます。

TSFシリーズフロートトラップは、バルブ及びバルブシートは共に焼入れされたステンレス鋼を使用しているため、高度の耐摩耗性を備えています。
また、バルブ・バルブシート以外のエアベント・フロート・ストレーナなどの主要部品も全てステンレス鋼を使用しています。

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ストレーナ内蔵

TSFシリーズフロートトラップは、ストレーナを内蔵しています。

内部部品をごみ・スケールから保護することにより、さらなる耐久性の向上を実現しました。
また、この内蔵ストレーナは、ウォーターハンマーを軽減する役割も担っています。

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2.1MPaの高圧対応

TRAPSTARシリーズフロートトラップは、2.1MPaの高圧対応。

高い潜熱で効率的な加熱をする低圧装置から高温加熱が必要な高圧装置まで、様々な用途で使用できます。

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